300年目の英雄譚_序幕……その前の、前日譚。①
ポケモンGETだぜ! どうもこんばんは、とたけです。
案の定というか既定路線というか、最近はアメリカ大陸横断して物資を届ける宅配業やったり、幼馴染と一緒にポケモンマスターになったりと忙しくしていたらもう12月を迎えていました。一年ってほんと短いですね。
今回は、ソードワールド2.5キャンペーンシナリオ「300年目の英雄譚」その序幕、「呪いと祝福の大地に導かれし者」のお話をしよう……と思いましたが、その前日譚からお話しようと思います。
本キャンペーンは、アルフレイム大陸南部のブルライト地方、「ハ―ヴェス王国」を中心に冒険がスタートしていきます。
で、PLの皆さんにはブルライト地方周囲でキャラクター作成を行ってもらったのですが……今回のキャンペーンではペア(2・2)での導入をしております!
流れ的には
●ペア1の前日譚(Discordですり合わせ)
●ペア2の前日譚(Discordですり合わせ)
↓
●セッション第零話でそれぞれのペア同士が邂逅(実卓)
所謂「個別OP」に近い形式での開始ですね。で、そのペアがこの通り。
ジュリア & ブレイザ のクールエルフと犬系ドワーフのコンビ!
そして
めい & エアル の低身長レプラカーンと高身長ナイトメアのコンビ!
(PCとPLさんについてはこちらの記事をどうぞ…)
そして、それぞれのペアでどんな経緯で出会い、最初のセッションに登場するのか……という部分を作っていただきました。その内容がもう、すでにセッション始まる前からセッション始まってるっていう……!これ私いらないんじゃね……?
そんなエモいキャラ設定の練りあいを見つつ、それぞれお互いに初めて出会った時のお話がこんな感じでした。
ジュリア&ブレイザの出会いの話。
物語(第零話)が始まるよりも前、ブルライト地方、ハ―ヴェス王国より北方、「北の森」にて──────
「こんなの討伐するために大部隊で足並み揃えてなんてかったるいったらありゃしないぜ~。」
森に狼討伐隊としてやってきていたブレイザは、その討伐隊からふらりとなはれ、森の深部へと別行動をしていた。
「わたし一人でもいくらでもやれっからな、へっへ~」
森をずかずかと歩き、邪魔な草木を破壊しながら進むブレイザ。
15分ほど歩いただろうか、土がむき出しになっている開けた場所へと迷い出る。
その奥に、群れからはぐれたのか1匹の狼が体を休めていた。
「まーた獲物がいるじゃん。今日はツイてるかもな~。」
威風堂々、どかどかと猪突猛進するブレイザ。当然、それに気が付いた狼は、顔をあげブレイザへと吠えかかる。すでに立ち上がり、臨戦態勢を整えていた。
「お前も手柄にしてやるよ!かかってきやがれ!」
狼は殺気を放ちながら、後ろ脚にぐぐっと力を籠め、俊敏な動きで距離を詰めとびかかる。鎧を着た、鈍重なブレイザにしてみれば、回避は絶望的だ。だが──────
「一撃だけもらってやるぜ。その代わり、覚悟しな!」
武器を握らぬ腕を前に出し、猛然とその噛みつきを受け止める!
腕からは少量の血が零れ、ぽたぽたと地面を濡らしていく。
「ちょっとくらい痛くないと、戦ってる気がしねーからな。
わたしは一撃受けてやったぜ。それじゃ、等価交換だ!」
反撃に出たブレイザの一撃は、噛みついて避けることのできない狼の胴に、強烈なメイスでの一撃を叩き込む。
急所を突かれた狼は、そのまま吹き飛ばされ大地に倒れ伏す。その一撃は、致命傷となるには十分な威力を秘めていた。
「やっぱわたし強すぎたかもな~!はっはー!」
高らかに勝利の宣言をするブレイザの目の前。
茂みの向こうから、先ほどのはぐれ狼の数倍はあろう異様な風体の狼が現れた。その狼は、明らかにブレイザに対して敵意を持ち、低く太い唸り声をあげ威嚇している。
「あー、丁度いいけど……でけーなぁ。
こりゃちょっと聞いてないって言いたくもなるぜ。ま、逃げる気なんて無いけどな。
こっちから行くぞ、おらー!」
ブレイザは気勢を上げ、勢いよくその狼へと立ち向かう。メイスを両の手で握り、渾身の一撃を放つ。しかし、先ほどの一撃で腕が痛んだか、そのメイスは空を切る。
その隙を、狼は見逃さなかった。
的確に、血の匂いを追い先ほどブレイザの噛みつかれた個所を狙い、ざっくりと肩口を切り裂く。ほとばしる鮮血が、さらに森の大地を汚していく。
「今のはびびってねーから!このわたしがビビるはずねーから!」
血にまみれ、痛みが体を駆け巡る。
息も荒く、一呼吸するたびに痛みが増していくような錯覚すら覚える。
「犬畜生のくせに、お、思ってたよりつえぇ!
わたしがこんなところで死ぬわけが……」
戦い、痛み、高揚と激痛の中で鼓動が高鳴る。しかし、ブレイザに勝ち目がないことは、誰の目にも明らかであった。迫る牙、避けられぬ一撃、その先にあるのは明確な死だ。
その瞬間、狼の背後の茂みが大きく揺れ動き、何者かが飛び出してくる。
スノーホワイトの髪を揺らし、クロスボウを構えたそのエルフの女はブレイザに叫ぶ。
「…ドワーフ? どきな!」
叫ぶのと同時に放たれた矢は、狼の身体をかすめ、次いでブレイザの顔すれすれを、撫でるかのようにして通り過ぎていく。
「お、おわっ!?矢が飛んできた!?」
驚くブレイザをよそに、そのエルフ……ジュリアは、更なる攻撃のためクロスボウをその場に放り、腰のホルスターからサーペンタインガンを抜き構える。
「なんでこんな所にドワーフが1人で?
……じゃない、こんなの相手に何やってんの!? 死ぬ気か!」
ジュリアはブレイザに構わず、引き金を引き、威嚇射撃を開始する。乾いた銃声が、暗い北の森に響く。
「死ぬ気ぃ~?そんなワケ無いぜ……殺す気だよ!
たった今まで正直やばいって思ってたけど……味方が居ると思うと
不思議なもんだな!」
メイスを再び構えながら、ブレイザは立ち上がり再び狼と相対する。
「……そっちにゃ行かせねえ、あくまでわたしが相手だぜ!」
勢いよくとびかかるブレイザを前に、狼はその一撃を躱しブレイザの足へと噛みつく。白い歯が、容赦なくブレイザのブーツを穿ち、機動力を削ぎ落す。
「おらおら、そうだ、私に構えよ!お前、えーと、エルフ!頼むっ!」
狼がブレイザの足に噛り付き、大きな隙が生まれる。痛みに耐えながら、ブレイザはジュリアへ合図を送る。
「勝手に人を仲間に…って足やられてるのか
こっの…!」
ジュリアがサーペンタインガンを構え、その頭を打ち抜こうと狙った時だ。不意に狼は噛みつくのをやめ、不規則な動きでジュリアに肉薄し痛烈な体当たりの一撃を叩き込む。
反転してくることを予期できなかったジュリアは、もろにその一撃を喰らい、宙に舞う。視界が一瞬暗転し、激しく地面に叩きつけられる。
「おいっ! 私の仲間に!手を出すな!」
憤然とメイスを構え、血にまみれたブレイザが三度の突進を狼に仕掛ける。しかし、狼はブレイザに構うこともなく、巨大な後ろ脚に力を籠め、今まさにジュリアに止めを刺そうとしていた。
「……っつう…。……ドワーフ!やれ!」
わずかな一瞬。狼の力溜めがまさに最高潮に達しようとしたとき、ジュリアが動く。
慣れた手つきでサーペンタインガンを構え、機械のような正確さで狼の後ろ脚を狙い、引き金を引く。
放たれた弾丸は、まるで吸い寄せられるようにして狼の足を打ち貫き、今まさにとびかかろうとしていた狼は、地面に崩れるようにしてバランスを失う。
「てめーの相手はこのわたしだぁーっ!!!」
その背後、怒りに満ちたブレイザの怒声と共に放たれた強烈な一撃が、的確に狼の頭部を捉え、頭蓋をたたき割る。血が舞い、自分のものか、狼のものかわからないほどに血にまみれたブレイザは、すでに動かない狼の上で荒い息を繰り返す。
「おい、エルフ……大丈夫か?大丈夫だよな、わたしに最高のパスくれたもんな」
ちらりと、ジュリアの方を見てブレイザが声をかける。
「(大きく肩で息を吐いて)はー…。何とかなったか…」
埃を払い、改めて弾丸を装填しながらジュリアは立ち上がり、
確実に仕留めたことを確認するため、狼の頭部へ1発の弾丸を叩き込む。
「……仕留めてるな」
息を吐くように、静かに体の力を抜きながらジュリアは確認を終える。
「お前すごいやつだよ~!!いい仲間だよ~!!──────あいてっ」
ブレイザがジュリアに近寄ろうとすると、噛まれた足に痛みが走ったのか、脚を挫いて勢いよく転びかける。それをジュリアが受け止め、べったりと返り血まみれになる二人。
「っと。 ……助けなくて良かったな…?」
「ヘヘ、足が相当やられた……なんだよ、助けられてありがとうだぜ?」
にかーっと笑うブレイザをよそに、ジュリアは近くの薬草を刈り取り始める。
「……はぁ(呆れため息) 随分ボロボロだね、座ってなよ」
「おっ、まだまだ助けてくれるのか?エルフって話に聞くよりいいやつだな!」
「なんでこんな所にドワーフが…… とりあえずこれ布で当てときな」
と、薬草をすりつぶした布を、ブレイザの肩に当て手当てをし始める。
「お、そうだ。わたしはブレイザ。ハーヴェスから狼の討伐に来た……えーと……」
「こんな所で血の匂い撒かれたんじゃ、獣が寄ってくるからだよ
……この草は傷には効くから覚えておきなよ、どこから来たか知らないけど
治るまでは何本かいるだろうからね」
と、ブレイザの話を聞かず、淡々と処置を進める。
「この薬草だな?ありがとよ、勉強しとくぜ~。あとさ、命の恩人は名前、なんつーんだ?」
「ふーん…。1人でドワーフが森に入るなんてね、死にたがりかな……
私か、私はジュリア。まぁ、会うこともないだろうけど」
次々に薬草入りの布を作り、ブレイザの傷に当てていくジュリア。
そんな彼女の反応をよそに、ブレイザは勢いよくしゃべり続ける。
「え!?お前みたいな最高の仲間にもう会うこともないなんてわたしには考えられないぜ!?」
がっしりとジュリアの腕をつかむブレイザに、ジュリアは最後の布を切り裂き、傷口に当て手当てを終える。
「懐くな懐くな、私はこの森がフィールドだから
ドワーフと早々会うことはないよ。
よし。 ……この森を1人でってのは流石に無理がある
次からは迷子にならないようにするんだね」
「へへ、ありがとな。そんじゃ、わたしはこの森をフィールドにする早々いなさそうなドワーフになってジュリアに会いに来るとするぜ。
森林の地図、薬草……こりゃ帰ったら野伏の勉強だな~」
ニコニコと笑いながら、ブレイザはジュリアに話しかける。ジュリアも、話半分に聞きつつ、すっと立ち上がる。一方的に喋りかけるブレイザと、それを聞いているジュリア。彼女ら二人は、森の端まで共に歩く。
しばらくすると、他の討伐隊たちの声が次第に聞こえてくるようになる。
「……お仲間か。ま、気をつけなよ」
ふっと、ジュリアはそういうや来た道を戻り、深き森の中へと消えてゆく。
「あっ、待・・・いてて。また来るからな!わたしはブレイザだからな!」
……と、大体こんな流れでジュリア&ブレイザは出会っています。
Discord上の互いのRPを集約して(描写はここに掲載するように書き換えてますが)いますが、台詞はほとんどそのまま使用しています。
セッション始まる前からすでにセッションが始まっていたわけですね。あれ、私いらなくないか……?
次回その②編では、エアルくんとめいちゃんの邂逅へんを予定!